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借用書テンプレート(無料ダウンロード可)|書き方やひな形も徹底解説

"お金の貸し借りは時として、トラブルに発展することもあります。後々問題にならないためにも、文書を交わしておくべきです。貸し借りに関する文書のことを一般的に借用書といいます。借用書を作成するにあたって、どのようなところに気をつけるべきか、以下で詳しく見ていきます。

 

  1. 借用書とは
  2. 借用書と金銭消費貸借契約書の違いは?
  3. より法的効力を高めるなら公正証書に
  4. 公正証書の作り方
  5. 借用書に書くべきこと
  6. お金の貸し借りをする際の金利
  7. 借用書の数字の書き方、書式
  8. 借用証書には収入印紙を忘れずに
  9. 貸したお金が返って来ない時の対処

 

借用書とは


借用書とは簡単にいうと、お金の貸し借りを証明するための書類になります。

 

・作る目的

 

借用書を作成する目的は、後々の金銭トラブルを回避するためです。口約束だけだと、「貸した」「貸していない」の水掛け論になります。しかし書類があれば、貸し借りの事実を後日しっかり証明できるわけです。

 

・作るメリット

 

借用書を作成することで、互いの借金に関する認識の食い違いを予防できます。また、期日通りの返済がなかった場合の催促するための切り札になりえます。それでも返済がなかった場合は、最悪裁判になるでしょうが、このとき借用書は有力な証拠になります。

 

借用書と金銭消費貸借契約書の違いは?


似たようなものとして、金銭消費貸借契約書があります。金銭消費貸借契約書は、金融機関が融資をする際に作成します。

 

借用書との違いは、重要度の差といえます。借用書はあくまでも個人間の取り決めです。借り手が書類を作成して、貸し手がそれを保管します。一方、金銭消費貸借契約書は、両者が合意の上で取り交わして決めごとになります。両者合意の上で作成・保管します。金銭消費貸借契約書の方が、同じ内容の書類を借り手・貸し手両方とも保管するので効力は強まります。

 

 

より法的効力を高めるなら公正証書に

 

▼公正証書のメリット

 

公正証書とは、公証人が法律に従い作成する公文書のことです。公正証書で作成された借用書は、通常とは異なるメリットがあります。

 

・信用力が高まる

 

個人間で作成したただの借用書と比較すると、公正証書は法律の専門家の公証人が法律に基づき作成します。このため、法律関係を明確にできます。たとえ裁判などになっても、十分な証明力を発揮してくれます。

 

・第三者への効力が高い

 

公正証書は民法に規定される確定日付の効力が認定されます。ケースによっては貸借なのか贈与なのか判断しにくい事例も出てきます。しかし公正証書があれば、金銭消費貸借契約であることを立証できます。

 

・強制執行が行える

 

相手が返済してくれない場合、最終的には裁判で債権回収する形になります。しかし、裁判には手間暇がかかります。公正証書として借用書を作成すれば、裁判なしでも強制執行によって債権回収が可能です。相手が認めなくても、強制的に回収もできます。

 

 

公正証書の作り方

 

・申し込み

 

公正証書は公証役場にて作成します。このとき貸し手・借り手両方が訪問する必要があり、それぞれが本人確認書類を持参しなければなりません。もし当日訪問できなければ、代理人を立てることも可能です。いきなりでも可能ですが、公証人がいないこともありうるので電話で予約しておきましょう。

 

・身分確認

 

公証人にそれぞれの本人確認書類を提示します。法人で作成する場合には、会社の実印・印鑑証明書・登記簿謄本が必要です。どのような書類を準備すべきか、予約をするときに確認するとよいでしょう。

 

・聴取

 

続いて公証人が契約内容に関する聴取を実施します。この際法律的に貸借は有効か、当事者に貸借をするだけの能力があるかを確認します。このチェックをすることで、安全な契約内容にて公文書を作成できるわけです。

 

・公正証書の作成

 

聴取内容に基づき、公正証書を作成します。そして、当事者にその証書を閲覧もしくは読み聞かせて、内容に間違いのないことを確認してもらいます。公正証書は、原本・正本・謄本の3通を作成します。

 

・署名捺印をする

 

内容に問題がなければ、当事者(代理人)と公証人は原本に署名捺印をします。原本は公証役場に保存され、正本は貸し手・謄本は借り手に交付され、手続きは完了です。公正証書の保存期間は、原則20年です。ただし、確定期限があるものの場合、期間の満了からさらに10年間保管されます。

 

借用書に書くべきこと


借用書は個人で作る私文書になります。そのため、公正証書のように細かなルールが書式に決められているわけではありません。しかし、借用書に書いておくべき項目が記載されていないと法的な証拠にならず、ただの紙切れになってしまう恐れがあります。借用書に書くべき項目について確認していきましょう。

 

司法書士事務所や行政書士事務所のホームページの中には、借用書のテンプレートを公開しているケースもあります。こちらをベースにして、自分なりにアレンジして借用書を作成するのもありです。

 

・タイトル

 

借り手だけの署名捺印の場合には「金銭借用書」・貸し手も署名捺印をする場合には「金銭消費貸借契約書」と表記するのが一般的です。取り決めの内容が一目でわかります。

 

・金銭の授受

 

金銭消費貸借契約は民法で、金銭の授受・返還の合意の2つが必要になります。そのため、金銭の授受のあった事実は、必ず明記しなければなりません。いくらお金を貸したのか、その金額も記載しましょう。
加えて借用日も記載しましょう。借用日は、借り手が金銭を実際に受領した日付を意味します。しかし、原則借用書の作成日が借用日と一般的に認識されています。このため、返済期日など日付を借用書のポイントごとに記載する必要があります。この日付は、和暦でも西暦でも基本問題はありません。同じ借用書に和暦と西暦が混在するのは好ましくないため、暦は統一するようにしましょう。日本の借用書では、和暦で記載するのが一般的とされています。
借用日の証明ができるように、なるべく現金の受け渡しは避けた方がいいです。銀行振込にしておけば、通帳に金銭を渡したことが日付込みで記録されるからです。

 

・返済日

 

お金の貸し借りは後日返済することが前提です。借用日だけでなく、いつまでにお金を返すのかも、借用書に明記する必要があります。期日を記載する場合には日付で表記します。「何か月後」「何年以内」といった曖昧な表記では認められません。「○月中」といった日にちが記載されていないものも、無効とされる恐れがあります。また、返済日以前に貸し手は返済を催促できません。

 

・返済方法

 

後々のトラブルを回避するために、返済方法と返済場所は明記すべきです。返済場所は表記しなくても構いません。表記しない場合は、民法に基づき貸し手の住所になります。返済方法について、特別な定めが借用書に記載されていない場合、借り手が貸し手に持参する方式になります。もし銀行振り込みによる返済を希望する場合は、銀行名と口座番号も記載しておくようにしましょう。

 

多額の金銭を貸し借りする場合、一度に返済するのは難しいかもしれません。そういったときは、分割返済にしても構いません。ただし、分割返済をする場合は、1回当たりの返済金額に加え、返済期日・最終的な返済期限・返済間隔・返済回数を記載しましょう。返済期日を毎月決まった日付にする際は、「毎月○日」と書いても問題はありません。

 

・利息と遅延損害金

 

お金の貸し借りには、通常、利息が発生します。そのため、借用書には金利も記載するようにしましょう。利息は、利息制限法という利率の上限を決めた法律があります。この上限利率を超えない金利にしましょう。

 

また、返済が遅れた場合、貸し手は遅延損害金を請求することも可能です。遅延損害金を請求する場合には、その利率も借用書に記載します。遅延損害金も上限が決められていて、利息制限法の上限金利の1.46倍です。

 

・連帯保証

 

連帯保証人をつける場合には、その人の責任も借用書に記載します。

 

・合意管轄

 

貸し手と借り手の住所が離れている場合、貸し手の住所を管轄する裁判所を紛争が起きた場合の解決場所とすると記載することです。これは金銭消費貸借契約書を作成する場合に記載しておくと、後々トラブルになった場合に手続きがスムーズになります。

 

・署名捺印

 

文末に借り手の署名捺印をします。住所・氏名は自筆で作成するのが一般的で、印鑑は実印を用います。自筆にするには、借用書の信頼を高めるためです。パソコンで作成すると、「貸し手が勝手に作ったのではないか?」と疑われる可能性もあるからです。

 

金銭消費貸借契約書の場合、貸し手も同じく署名捺印をしなければなりません。押印する際には、署名と重ならないところに押すように心がけましょう。もし重なってしまうと、押印が印鑑登録されている実印かどうか照合できなくなる可能性があります。

 

お金の貸し借りをする際の金利


お金の貸し借りの際には、当事者が合意した場合、金利の取り決めができます。金利は合意できれば自由に決められますが、利息制限法の上限利率を超えてはいけません。利息制限法では、それぞれ年利で、10万円未満20%・100万円未満18%・100万円以上15%が上限金利となります。

 

利息を支払うことを合意したものの、金利を決めていなければ、法定金利が適用されます。法定金利は個人間5%・商人間6%の年利を請求できます。しかし、これは借用書に利息を支払うことが明記されている場合です。金銭消費貸借契約は、民法で原則無利息となっています。

 

借用書の中に遅延損害金を明記することも可能です。これは期日までに借り手が返済しなかった場合、一種のペナルティとして先ほど紹介した利息と別に請求できるお金のことを指します。

 

こちらも利息制限法で、上限金利が決められています。10万円未満29.2%・100万円未満26.28%・100万円以上21.9%です。遅延損害金の支払いだけを決め、利率を定めていなかった場合には、先ほどの法定金利分の金額を請求できます。

 

借用書の数字の書き方、書式


借用書には貸した金額を明記する必要があります。このとき、数字ではなく漢字で記載するのが原則です。漢数字の中でも大字で書きましょう。大字とは、結婚式の祝儀などに記載する、壱・弐・参…といったものです。アラビア数字や普段使っている漢数字の場合、後から改ざんされる恐れがあるからです。特に、借用書は貸し手だけが預かりますので、自分に都合のいいように金額を変更される可能性があります。

 

また、借用書を見てみると、「金○円」と記載することも多いです。このとき「金」と数字の間隔は、詰めて記載するように心がけましょう。例えば3万円を借りて「金 参萬円」とスペースを空けて記載したとします。

 

この場合、貸し手が「金」と「参」の間に「壱拾」(10)と書き入れるスペースができてしまいます。そうなると知らない間に、13万円借りたことにされかねません。その数字は、勝手に後で付け加えたものなのか、第三者には判別がつきません。そのため、間隔を空けないように借用書は作成すべきです。

 

借用証書には収入印紙を忘れずに


手形や定款、保健所受け、普段を売買する際の契約書は課税文書に該当します。このような文書には収入印紙を貼り付ける取り決めになっています。借用書や金銭消費貸借契約書も、貸す金額が1万円以上の場合収入印紙を貼る決まりになっています。返済のトラブルが起きた後、裁判沙汰になった場合、借用書や金銭消費貸借契約書に収入印紙が貼り付いていないと本来かかる印紙代の3倍の金額を求められます。

 

印紙代についてですが、貸した金額に基づき決められます。10万円まで200円・50万円まで400円・100万円まで1000円・500万円まで2000円・1000万円まで1万円となります。収入印紙は、商工会議所のほかにも郵便局やコンビニでも販売されています。ただし、コンビニの場合、あまり大きな金額の収入印紙は置いていないこともあるため注意しましょう。

 

貸したお金が返って来ない時の対処

 

・借用書(金銭消費貸借契約書)の場合

 

借用書や金銭消費貸借契約書を作成した場合、それを切り札にして返済の催促はできます。借用書や金銭消費貸借契約書は、法的に債権を回収する権利が認められているからです。

 

しかし、これらの書類の場合、法的な強制力を伴わないため、強い書類とは言い難いです。例えば、期日までに借り手が約束通りにお金を返してくれなかった場合、強制的に借り手の財産を差し押さえるようなことはできません。債権を回収するためには、裁判を起こして勝つ必要があります。

 

裁判を起こすとなると、弁護士に依頼するのが一般的です。弁護士に支払う費用が必要になります。判決もなかなか出ないことが多いため、費用だけでなく、時間も労力もかかります。また、裁判に勝ったことと債権を回収できることは、別問題です。例えば裁判期間中に借り手は自分の財産を処分する、自己破産の手続きを進められると債権を回収できないという事態も考えられます。

 

・公正証書の場合

 

公正証書の場合、借用書や金銭消費貸借契約書よりも法的な強制力が伴います。公正証書の場合、強制執行という手段に訴えることができます。借用書や金銭消費貸借契約書の場合、債権を回収するためには裁判に訴えないといけませんでした。しかし、公正証書があれば、裁判をしなくても強制執行の手続きができます。裁判を経なくても、貸したお金を強制的に回収できます。

 

公正証書を作成する際、公証人という法律の専門家が間に入る形をとります。制作された公文書には、「もし金銭の返済ができなかった場合、強制執行を受けることに同意します」という内容を入れられます。

 

強制執行をすると、借り手のさまざまな財産を差し押さえられます。動産執行といって、借り手の保有している商品や家電、家財などを差し押さえられます。また、借り手に預貯金や給料があれば、その一部を差し押さえることも可能です。

 

例えば、借り手がマイホームなど不動産を所有している場合、それを強制執行で差し押さえることも可能です。差し押さえて競売にかけて債権を回収する方法もあれば、オーナーとして賃料を受け取ることで債権を回収する強制管理という方法もあります。不動産執行であれば、大きな金額を回収可能ですが、手続きには時間がかかります。

 

また不動産執行できるのは、あくまでも債務者名義の不動産に限られます。債務者の家族などの不動産を差し押さえることはできないので注意しましょう。

 

債務者が別の人にお金を貸している場合、この債権を差し押さえることも可能です。これを債権執行といいます。このように強制的に債権の回収ができます。見方を変えれば、公正証書を作成することで、債務者への返済のプレッシャーをかけられます。このため、普通の借用書や金銭消費貸借契約書よりも借り手から返済してもらえる可能性は高まります。